近年、eスポーツは障害のある方々の社会参加や余暇活動の選択肢として注目を集めている。ゲームのアクセシビリティ機能の向上により、身体機能に制限がある方でもゲームを楽しめる環境が整いつつある。
しかしながら、実際に障害のある方がeスポーツを始めようとした際に、どこに相談すればよいか、どのような支援を受けられるかといった情報は十分に整備されていない。
本調査は、地域における障害者eスポーツ支援の資源を把握し、「地域資源マップ」として可視化することを目的として実施した。これにより、支援を必要とする方と支援を提供できる団体・専門職のマッチングを促進することを目指す。
以下の3つのルートでアンケート調査を実施した。
| 調査対象 | 送付先 | 選定理由 |
|---|---|---|
| ICTサポートセンター | 厚生労働省委託の障害者ICTサポート総合推進事業 実施団体(全国) | 公的なICT支援窓口として、地域の相談先となる可能性 |
| eスポーツ団体 | JeSU地方支部および同等の機能を持つ地域eスポーツ協会 | eスポーツの普及活動を行う団体として、障害者支援への展開可能性を確認 |
| 医療・福祉関連職等 | eスポーツ支援者セミナー受講者(計4回開催、約100名) | 障害者支援の専門知識を持ち、eスポーツ支援に関心のある層 |
調査期間:令和7年9月~12月
ICTサポートセンターは、厚生労働省「障害者ICTサポート総合推進事業」に基づき各都道府県に設置された公的機関である。障害者のICT利用全般を支援する役割を担っており、ゲーム・eスポーツも支援対象に含まれうる。
eスポーツ団体は、地域でのeスポーツ普及活動の中心的存在である。ただし、医療・福祉を本業としていないため、障害者への個別対応には課題がある可能性も想定された。
医療・福祉関連職等は、eスポーツ支援者セミナーを通じて関心を持った層であり、専門的な知識・技術を持つ一方、組織的なバックアップが課題となりうる。
有効回答数は57件であった。内訳は以下の通りである。
| 組織種別 | 回答数 | 構成比 |
|---|---|---|
| ICTサポートセンター | 24件 | 42.1% |
| eスポーツ団体 | 14件 | 24.6% |
| 医療・福祉関連職等 | 19件 | 33.3% |
| 合計 | 57件 | 100% |
回答は全国から寄せられたが、地域によって偏りが見られた。
| 地域ブロック | ICT | eスポーツ | 医療福祉 | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 1 | 1 | 2 | 4 |
| 東北 | 0 | 3 | 2 | 5 |
| 関東 | 6 | 2 | 6 | 14 |
| 中部 | 5 | 3 | 4 | 12 |
| 関西 | 3 | 1 | 5 | 9 |
| 中国 | 3 | 1 | 0 | 4 |
| 四国 | 2 | 2 | 0 | 4 |
| 九州・沖縄 | 4 | 1 | 0 | 5 |
| 合計 | 24 | 14 | 19 | 57 |
| 組織種別 | 実績あり | 実績なし | 相談実績率 |
|---|---|---|---|
| ICTサポートセンター | 5件 | 19件 | 20.8% |
| eスポーツ団体 | 10件 | 4件 | 71.4% |
| 医療・福祉関連職等 | 9件 | 10件 | 47.4% |
公的窓口であるICTサポートセンターの相談実績率は20.8%に留まる一方、民間のeスポーツ団体は71.4%と高い。潜在的な相談ニーズが行政窓口よりも「実際の体験環境」を保有する民間団体へ直接流入している現状が推察される。
ICTサポートセンターの相談実績率が20.8%である一方、eスポーツ団体は71.4%と高い数値を示している。
これは、当事者やその家族が「楽しそう」「実際に体験できそう」なeスポーツ団体に相談しやすい環境があることを示している。一方で、ICTサポートセンターは従来のICT支援業務が中心であり、ゲーム相談の窓口としての認知がまだ広がっていない段階と考えられる。今後、各セクターが連携することで、相談者にとってより多くの選択肢を提供できる可能性がある。
| 組織種別 | 実施あり | 計画中 | なし | 実施率 |
|---|---|---|---|---|
| ICTサポートセンター | 3件 | 1件 | 20件 | 12.5% |
| eスポーツ団体 | 13件 | 0件 | 1件 | 92.9% |
| 医療・福祉関連職等 | 11件 | 2件 | 6件 | 57.9% |
eスポーツ団体の92.9%がイベント実施経験を持ち、地域における「実働部隊」としての役割を担っている。
ゲームアクセシビリティ相談において、どこまで対応できるかを5段階で確認した。
| 対応レベル | ICT | eスポーツ | 医療福祉 |
|---|---|---|---|
| R0:対応困難 | 4件(16.7%) | 0件(0%) | 3件(15.8%) |
| R1:情報提供 | 15件(62.5%) | 3件(21.4%) | 6件(31.6%) |
| R2:体験・試遊 | 1件(4.2%) | 6件(42.9%) | 5件(26.3%) |
| R3:簡易調整 | 3件(12.5%) | 2件(14.3%) | 2件(10.5%) |
| R4:短期フォロー | 1件(4.2%) | 3件(21.4%) | 3件(15.8%) |
ICTサポートセンターは「情報提供(R1)」が62.5%と中心で、体験提供(R2)はわずか4.2%。相談を受けてもその場で試せる機材がない構造的課題が顕在化している。
eスポーツ団体は「体験・試遊(R2)」が42.9%と最も多く、「対応困難(R0)」は0件。意欲的に取り組む姿勢がうかがえる。
医療・福祉関連職等は幅広いレベルに分散しており、専門性を活かした柔軟な対応が可能。
各セクターが主に支援対象としている障害種別・対象者層を確認した。
| 対象者 | ICT | eスポーツ | 医療福祉 |
|---|---|---|---|
| 視覚障害 | 16件 | 2件 | 5件 |
| 聴覚障害 | 11件 | 2件 | 4件 |
| 上肢障害 | 12件 | 5件 | 8件 |
| 発話困難 | 11件 | 10件 | 7件 |
| 高齢者 | 5件 | 11件 | 11件 |
| 認知症 | 6件 | 9件 | 7件 |
ICTサポートセンターは視覚障害(16件)、上肢障害(12件)、聴覚障害(11件)が中心。従来のICT機器支援の延長として対応している。
eスポーツ団体は高齢者(11件)、発話困難(10件)、認知症(9件)が上位。高齢者施設への導入など独自の展開が見られる。
医療・福祉関連職は高齢者(11件)を最多としつつ、各障害種別にバランスよく対応している。
各セクターの地理的な対応範囲を確認した。
| 対応範囲 | ICT | eスポーツ | 医療福祉 |
|---|---|---|---|
| 全国対応可能 | 0件(0%) | 3件(21.4%) | 4件(21.1%) |
| 近隣県まで | 0件(0%) | 3件(21.4%) | 10件(52.6%) |
| 県内のみ | 23件(95.8%) | 7件(50.0%) | 5件(26.3%) |
ICTサポートセンターは95.8%が県内のみの対応。公的事業として都道府県単位で設置されているため、行政区域を超えた支援は構造的に難しい。
eスポーツ団体は約43%が県外への出張対応が可能。民間団体としての機動力がある。
医療・福祉関連職は73.7%が県外対応可能。個人の専門家としての機動力が最も高い。
→ 資源の空白地域をカバーするには、eスポーツ団体・医療福祉関連職の広域対応力が有効と考えられる。
寄せられた具体的な相談内容を紹介する。
活動を継続・拡大する上での課題を集計した結果、以下の項目が上位となった。
| 順位 | 課題 | ICT | eスポーツ | 医療福祉 | 計 | 割合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 人材 | 13件 | 9件 | 12件 | 34件 | 58.6% |
| 2 | 費用 | 10件 | 11件 | 12件 | 33件 | 56.9% |
| 3 | 知識 | 13件 | 8件 | 9件 | 30件 | 51.7% |
| 4 | 機材 | 14件 | 6件 | 9件 | 29件 | 50.0% |
| 5 | 継続 | 8件 | 5件 | 7件 | 20件 | 34.5% |
| 属性 | 最も深刻な課題 | 特徴 |
|---|---|---|
| ICTセンター | 機材(14件) | 相談を受けても、試してもらう機器がない |
| eスポーツ団体 | 費用(11件) | 意欲はあるが活動資金が乏しい |
| 医療福祉 | 人材・費用(各12件) | 個人活動のため組織的バックアップがない |
「eスポーツアクセシビリティにはとても興味がある。ただ、これまで全くやった事がないため何が必要なのか、どうすればできるのか、基本的なことが分からない状況」
「障害者のIT機器支援とeスポーツ支援は非常に親和性が高いと感じている。どこまでを業務としてサポートすべきかは分かりませんが、何かしら協力できることは、お手伝いさせていただければ」
「限られた者が支援相談に対応しているが後継者がいない。その者が何らかの都合で就労継続できなくなった時には、ICTサポートセンターの継続ができなくなる」
「費用がないかほとんどない場合がほとんどで、こちらの稼働が取れないことが多い」
「介護・福祉の依頼は、どうしても予算がなく、ほとんど利益がでない」
「専門知識がない状態で障害系に手を出すのは慎重にならざるを得ない。イベント事業費等の報酬がきっちりと出されるような座組があり、機材の研修および貸出も実施されるという座組であれば、専門知識を有する人材も一緒に真剣に取り組んでもらえると想定しております」
「施設内でeスポーツを集団実施する際には、原則として毎回メーカーの許諾が求められる。許諾申請の流れをスキップできるような認定ライセンス制度などがあれば、もっと障害のある方が気軽に集団でeスポーツを楽しめる」
「本当にやってみたいのは『みんなと同じタイトル』であるため、ここの課題クリアは大きなカギを握ると思う」
「視線入力導入の難易度が高い。導入までのフローチャートや導入後のサポートなどあれば助かる」
eスポーツ支援を「業務として位置づけているか」を確認した結果、セクター間で大きな差が見られた。
| 属性 | はい | 判断が難しい | いいえ |
|---|---|---|---|
| ICTサポートセンター | 2件(8.3%) | 9件(37.5%) | 13件(54.2%) |
| eスポーツ団体 | 9件(64.3%) | 3件(21.4%) | 2件(14.3%) |
| 医療・福祉関連職 | 10件(52.6%) | 7件(36.8%) | 2件(10.5%) |
ICTサポートセンターでは「業務ではない」または「判断が難しい」という回答が多いが、これは現時点での体制や経験を踏まえた慎重な判断と考えられる。前述の通り、厚生労働省の手引きではeスポーツ支援は業務範囲内とされており、制度的な障壁はない。
重要なのは、ICTサポートセンターが高度な知識や機材を完備した「eスポーツの専門家」になる必要はないということである。地域のeスポーツ団体や医療・福祉関連職と連携し、相談者を適切な資源につなぐ「ハブ機能」を果たすことが現実的かつ有効なアプローチであると考えられる。
情報公開に同意した団体を地域ブロック別に整理した。公開可能な団体は30団体であった。
※回答のあった57団体のうち、公開に同意した30団体の分布を示す
| 地域 | ICT | eスポーツ | 医療福祉 | 計 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 1 | 1 | 2 | 4 |
| 東北 | 0 | 3 | 1 | 4 |
| 関東 | 0 | 2 | 5 | 7 |
| 中部 | 2 | 2 | 1 | 5 |
| 関西 | 1 | 1 | 3 | 5 |
| 中国 | 1 | 1 | 0 | 2 |
| 四国 | 1 | 0 | 0 | 1 |
| 九州・沖縄 | 1 | 1 | 0 | 2 |
| 合計 | 7 | 11 | 12 | 30 |
以下は、情報公開に同意いただいた団体の一覧である。連絡先の公開についても同意を得た団体のみメールアドレスを掲載している。
| 団体名 | 所在地 | 種別 | 対応 | 連絡先 |
|---|---|---|---|---|
| NPO法人札幌チャレンジド | 北海道札幌市 | ICT | R1 | ― |
| 一般社団法人道南eスポーツ協会 | 北海道函館市 | eスポーツ | R1 | ― |
| 一般社団法人ユニバーサルeスポーツネットワーク | 北海道札幌市 | 医療福祉 | R4 | [email protected] |
| 特定非営利活動法人iCareほっかいどう | 北海道札幌市 | 医療福祉 | R2 | [email protected] |
| 団体名 | 所在地 | 種別 | 対応 | 連絡先 |
|---|---|---|---|---|
| 岩手eスポーツ協会 | 岩手県盛岡市 | eスポーツ | R3 | [email protected] |
| 山形県eスポーツ連合 | 山形県酒田市 | eスポーツ | R2 | [email protected] |
| 秋田県eスポーツ連合 | 秋田県秋田市 | eスポーツ | R1 | [email protected] |
| eSocial Cue株式会社 | 秋田県秋田市 | 医療福祉 | R4 | [email protected] |
| 団体名 | 所在地 | 種別 | 対応 | 連絡先 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都eスポーツ連合 | 東京都渋谷区 | eスポーツ | R2 | [email protected] |
| 一般社団法人相模原eスポーツ協会 | 神奈川県相模原市 | eスポーツ | R4 | [email protected] |
| NPO法人ICT救助隊 | 東京都品川区 | 医療福祉 | R1 | [email protected] |
| 群馬県立二葉高等特別支援学校 | 群馬県高崎市 | 医療福祉 | R1 | ― |
| 株式会社メイクウィル | 東京都葛飾区 | 医療福祉 | R1 | ― |
| 任意団体 EYE・ON | 千葉県御宿町 | 医療福祉 | R2 | [email protected] |
| 社会福祉法人武蔵野会 小平福祉園 | 東京都小平市 | 医療福祉 | R2 | ― |
| 団体名 | 所在地 | 種別 | 対応 | 連絡先 |
|---|---|---|---|---|
| 岐阜県身体障害者福祉協会 福祉メディアステーション | 岐阜県大垣市 | ICT | R1 | ― |
| なごや福祉用具プラザ | 愛知県名古屋市 | ICT | R3 | [email protected] |
| 一般社団法人福井県eスポーツ連合 | 福井県福井市 | eスポーツ | R2 | [email protected] |
| 一般社団法人静岡県eスポーツ連合 | 静岡県静岡市 | eスポーツ | R3 | ― |
| 豊橋ケーブルネットワーク株式会社 | 愛知県豊橋市 | 医療福祉 | R2 | [email protected] |
| 団体名 | 所在地 | 種別 | 対応 | 連絡先 |
|---|---|---|---|---|
| NPO法人滋賀県社会就労事業振興センター | 滋賀県草津市 | ICT | R4 | ― |
| 一般社団法人大阪府eスポーツ連合 | 大阪府池田市 | eスポーツ | R4 | [email protected] |
| 特定非営利活動法人パラスポーツサポーター | 大阪府 | 医療福祉 | R3 | ― |
| BLACKPINGUUu | 大阪府枚方市 | 医療福祉 | R2 | [email protected] |
| 株式会社テクリオ | 大阪府大阪市 | 医療福祉 | R4 | [email protected] |
| 団体名 | 所在地 | 種別 | 対応 | 連絡先 |
|---|---|---|---|---|
| 山口県障害者社会参加推進センター | 山口県山口市 | ICT | R2 | [email protected] |
| 一般社団法人やまぐちeスポーツ協会 | 山口県山口市 | eスポーツ | R2 | 090-9463-1544 |
| 団体名 | 所在地 | 種別 | 対応 | 連絡先 |
|---|---|---|---|---|
| 愛媛県障がい者ICTサポートセンター | 愛媛県松山市 | ICT | R3 | [email protected] |
| 団体名 | 所在地 | 種別 | 対応 | 連絡先 |
|---|---|---|---|---|
| 福岡点字図書館 | 福岡県春日市 | ICT | R1 | [email protected] |
| 一般社団法人長崎県eスポーツ連合 | 長崎県時津町 | eスポーツ | R2 | [email protected] |
調査結果から、各セクターは単独では課題を解決しきれない状況が明らかになった。
| セクター | 強み | 課題 |
|---|---|---|
| ICTサポートセンター | 公的機関としての信頼性、相談窓口機能 | ノウハウ・機材・人材の不足 |
| eスポーツ団体 | 実践経験、機材、イベント運営力 | 資金、専門知識(医療・福祉) |
| 医療・福祉関連職 | 専門知識、個別対応力 | 組織的バックアップ、機材 |
3者の強みを組み合わせた相互補完システムを提案する。
例えば、ICTサポートセンターが相談窓口として機能し、具体的な体験・イベントはeスポーツ団体が担い、個別の身体状況に応じた調整は医療・福祉関連職が支援する、といった役割分担が考えられる。
今回作成した地域資源マップは、こうした連携の第一歩として、各地域でどのような資源があるかを可視化したものである。
前章までの分析で、全国に57件の地域資源が存在することを確認した。本章では、これらの資源が当事者にとってどの程度アクセスしやすい状態にあるかを整理する。
「連絡先公開」かつ「体験以上の支援可能(R2以上)」という2つの条件を満たす資源を集計した。
| 属性 | アクセス可能 | 全資源数 | アクセス可能率 |
|---|---|---|---|
| ICTサポートセンター | 3件 | 24件 | 12.5% |
| eスポーツ団体 | 8件 | 14件 | 57.1% |
| 医療・福祉関連職 | 7件 | 19件 | 36.8% |
| 合計 | 18件 | 57件 | 31.6% |
現時点で当事者がアクセスしやすい資源は18件(31.6%)である。今回の調査により、これらの資源が初めて可視化されたことは大きな成果といえる。
当事者がアクセス可能な資源が存在する都道府県は、47都道府県中13都道府県である。
| 区分 | 詳細 |
|---|---|
| アクセス可能な資源がある | 13都道府県 北海道、岩手県、秋田県、山形県、千葉県、東京都、神奈川県、福井県、愛知県、大阪府、山口県、愛媛県、長崎県 |
| 今後の展開が期待される地域 | 34都道府県 青森県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、新潟県、富山県、石川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、徳島県、香川県、高知県、福岡県、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
今回の調査は、地域のゲームアクセシビリティ資源を初めて体系的に把握する試みであった。その結果:
本調査で作成した地域資源マップは、この分野における最初の一歩である。今後、各地域での取り組みが進むことで、より多くの当事者が支援につながることが期待される。
本調査により、地域におけるゲームアクセシビリティ支援の現状が初めて体系的に把握された。
本調査は、地域における障害者eスポーツ支援の実態を把握することを目的として、アンケート調査を中心に実施したものである。一方で、本調査は回答者の自己申告に基づくものであり、実際の支援能力や対応内容をすべて網羅的に評価するものではない。また、eスポーツ支援者セミナーの開催地域や調査対象の特性により、地域分布や回答内容に一定の偏りが含まれる可能性がある。
しかしながら、こうした制約を踏まえても、本調査は、地域における障害者eスポーツ支援の全体像と構造的課題を初めて横断的に整理した点に意義があると考えられる。
本調査で作成した地域資源マップは、障害のある方やその支援者が地域の相談先を探す際の参考となることを期待している。また、各地域での連携促進のきっかけとなれば幸いである。
今後は、セミナー未開催地域への展開や、公開に同意いただいた団体間のネットワーク構築などを通じて、支援資源の拡充を図っていくことが望まれる。
ICTサポートセンターの職員が地域の「eスポーツ団体」や「医療・福祉関連職」の所在を参照できる仕組みが不可欠である。今回作成した地域資源マップの有効活用及び今後のアップデートが望まれる。
最も活動実績のあるeスポーツ団体が資金面での課題を抱えている現状がある。アクセシビリティ機器の購入助成や、公的事業(ICTセンター等)が主催するイベントの運営をeスポーツ団体に業務委託するなど、公的資金が民間の実働部隊に循環する仕組みを作ることで、持続可能な支援体制が構築できると考えられる。
福祉施設等での利用におけるゲームソフトの許諾手続きの簡素化が、さらなる活用に向けた検討事項として挙げられた。メーカーにおける福祉利用におけるガイドライン策定や包括的許諾の枠組み作り検討に向けた後押しが期待される。
掲載された団体情報は、各団体の同意に基づいて公開している。連絡先が掲載されている団体への問い合わせは、各団体の業務状況に配慮いただきますようお願いしたい。
情報の更新・訂正については、一般社団法人 日本eスポーツ協会までご連絡ください。