一般社団法人 日本eスポーツ協会(JESU)
地域ゲームアクセシビリティ
資源調査 報告書
― 障害者eスポーツ支援の地域資源マップ構築に向けて ―

令和8年3月

一般社団法人 日本eスポーツ協会(JESU)

目 次

第1章 調査概要

1.1 調査の背景と目的

近年、eスポーツは障害のある方々の社会参加や余暇活動の選択肢として注目を集めている。ゲームのアクセシビリティ機能の向上により、身体機能に制限がある方でもゲームを楽しめる環境が整いつつある。

しかしながら、実際に障害のある方がeスポーツを始めようとした際に、どこに相談すればよいか、どのような支援を受けられるかといった情報は十分に整備されていない。

本調査は、地域における障害者eスポーツ支援の資源を把握し、「地域資源マップ」として可視化することを目的として実施した。これにより、支援を必要とする方と支援を提供できる団体・専門職のマッチングを促進することを目指す。

1.2 調査方法

以下の3つのルートでアンケート調査を実施した。

調査対象 送付先 選定理由
ICTサポートセンター 厚生労働省委託の障害者ICTサポート総合推進事業 実施団体(全国) 公的なICT支援窓口として、地域の相談先となる可能性
eスポーツ団体 JeSU地方支部および同等の機能を持つ地域eスポーツ協会 eスポーツの普及活動を行う団体として、障害者支援への展開可能性を確認
医療・福祉関連職等 eスポーツ支援者セミナー受講者(計4回開催、約100名) 障害者支援の専門知識を持ち、eスポーツ支援に関心のある層

調査期間:令和7年9月~12月

1.3 調査対象の特性

なぜこの3つを調査対象としたか

ICTサポートセンターは、厚生労働省「障害者ICTサポート総合推進事業」に基づき各都道府県に設置された公的機関である。障害者のICT利用全般を支援する役割を担っており、ゲーム・eスポーツも支援対象に含まれうる。

eスポーツ団体は、地域でのeスポーツ普及活動の中心的存在である。ただし、医療・福祉を本業としていないため、障害者への個別対応には課題がある可能性も想定された。

医療・福祉関連職等は、eスポーツ支援者セミナーを通じて関心を持った層であり、専門的な知識・技術を持つ一方、組織的なバックアップが課題となりうる。

第2章 回答者の属性

2.1 組織種別の内訳

有効回答数は57件であった。内訳は以下の通りである。

組織種別 回答数 構成比
ICTサポートセンター 24件 42.1%
eスポーツ団体 14件 24.6%
医療・福祉関連職等 19件 33.3%
合計 57件 100%

2.2 地域分布

回答は全国から寄せられたが、地域によって偏りが見られた。

地域ブロック ICT eスポーツ 医療福祉
北海道1124
東北0325
関東62614
中部53412
関西3159
中国3104
四国2204
九州・沖縄4105
合計24141957
地域分布の特徴:関東・中部に回答が集中している。医療・福祉関連職等はセミナー開催地域(北海道、関東、中部、関西)に偏る傾向が見られた。中国・四国・九州からの医療・福祉関連職の回答がないのは、セミナー未開催地域であることが主な要因と考えられる。

第3章 支援の実態

3.1 相談・イベント実績

ゲームアクセシビリティ相談の実績

組織種別 実績あり 実績なし 相談実績率
ICTサポートセンター 5件 19件 20.8%
eスポーツ団体 10件 4件 71.4%
医療・福祉関連職等 9件 10件 47.4%

公的窓口であるICTサポートセンターの相談実績率は20.8%に留まる一方、民間のeスポーツ団体は71.4%と高い。潜在的な相談ニーズが行政窓口よりも「実際の体験環境」を保有する民間団体へ直接流入している現状が推察される。

相談先の多様化

ICTサポートセンターの相談実績率が20.8%である一方、eスポーツ団体は71.4%と高い数値を示している。

これは、当事者やその家族が「楽しそう」「実際に体験できそう」なeスポーツ団体に相談しやすい環境があることを示している。一方で、ICTサポートセンターは従来のICT支援業務が中心であり、ゲーム相談の窓口としての認知がまだ広がっていない段階と考えられる。今後、各セクターが連携することで、相談者にとってより多くの選択肢を提供できる可能性がある。

eスポーツイベント・体験会の実施状況

組織種別 実施あり 計画中 なし 実施率
ICTサポートセンター 3件 1件 20件 12.5%
eスポーツ団体 13件 0件 1件 92.9%
医療・福祉関連職等 11件 2件 6件 57.9%

eスポーツ団体の92.9%がイベント実施経験を持ち、地域における「実働部隊」としての役割を担っている。

3.2 対応可能な支援レベル

ゲームアクセシビリティ相談において、どこまで対応できるかを5段階で確認した。

対応レベルの定義

対応レベル ICT eスポーツ 医療福祉
R0:対応困難4件(16.7%)0件(0%)3件(15.8%)
R1:情報提供15件(62.5%)3件(21.4%)6件(31.6%)
R2:体験・試遊1件(4.2%)6件(42.9%)5件(26.3%)
R3:簡易調整3件(12.5%)2件(14.3%)2件(10.5%)
R4:短期フォロー1件(4.2%)3件(21.4%)3件(15.8%)

支援レベルの特徴

ICTサポートセンターは「情報提供(R1)」が62.5%と中心で、体験提供(R2)はわずか4.2%。相談を受けてもその場で試せる機材がない構造的課題が顕在化している。

eスポーツ団体は「体験・試遊(R2)」が42.9%と最も多く、「対応困難(R0)」は0件。意欲的に取り組む姿勢がうかがえる。

医療・福祉関連職等は幅広いレベルに分散しており、専門性を活かした柔軟な対応が可能。

3.3 支援対象者(障害種別)

各セクターが主に支援対象としている障害種別・対象者層を確認した。

対象者 ICT eスポーツ 医療福祉
視覚障害16件2件5件
聴覚障害11件2件4件
上肢障害12件5件8件
発話困難11件10件7件
高齢者5件11件11件
認知症6件9件7件

対象者の特徴

ICTサポートセンターは視覚障害(16件)、上肢障害(12件)、聴覚障害(11件)が中心。従来のICT機器支援の延長として対応している。

eスポーツ団体は高齢者(11件)、発話困難(10件)、認知症(9件)が上位。高齢者施設への導入など独自の展開が見られる。

医療・福祉関連職は高齢者(11件)を最多としつつ、各障害種別にバランスよく対応している。

3.4 対応エリア(地域カバー力)

各セクターの地理的な対応範囲を確認した。

対応範囲 ICT eスポーツ 医療福祉
全国対応可能0件(0%)3件(21.4%)4件(21.1%)
近隣県まで0件(0%)3件(21.4%)10件(52.6%)
県内のみ23件(95.8%)7件(50.0%)5件(26.3%)

対応エリアの特徴

ICTサポートセンターは95.8%が県内のみの対応。公的事業として都道府県単位で設置されているため、行政区域を超えた支援は構造的に難しい。

eスポーツ団体は約43%が県外への出張対応が可能。民間団体としての機動力がある。

医療・福祉関連職は73.7%が県外対応可能。個人の専門家としての機動力が最も高い。

→ 資源の空白地域をカバーするには、eスポーツ団体・医療福祉関連職の広域対応力が有効と考えられる。

3.5 相談事例

寄せられた具体的な相談内容を紹介する。

ICTサポートセンターへの相談例

上肢不自由でも使えるキーボードについての相談
視線入力でのゲーム方法、スイッチによる操作方法について
ゲームコントローラー操作(改造を含む)について

eスポーツ団体への相談例

片手操作、麻痺した状態でのコントローラー操作について
筋ジストロフィーの方から将来を見据えた視線入力等の相談
自閉スペクトラム症の方が操作しやすい大きなボタンでのプレイ相談
高齢者施設や病院へのeスポーツ導入、レクリエーション活用

医療・福祉関連職への相談例

脳性麻痺のお子さんがSwitchを利用する方法について
遷延性意識障害の方への視線入力ゲーム紹介
筋ジストロフィー患者さんのゲーム支援
施設職員向けのeスポーツ導入研修

第4章 課題の分析

4.1 全体の課題傾向

活動を継続・拡大する上での課題を集計した結果、以下の項目が上位となった。

順位 課題 ICT eスポーツ 医療福祉 割合
1 人材 13件 9件 12件 34件 58.6%
2 費用 10件 11件 12件 33件 56.9%
3 知識 13件 8件 9件 30件 51.7%
4 機材 14件 6件 9件 29件 50.0%
5 継続 8件 5件 7件 20件 34.5%

属性別の主な課題

属性 最も深刻な課題 特徴
ICTセンター 機材(14件) 相談を受けても、試してもらう機器がない
eスポーツ団体 費用(11件) 意欲はあるが活動資金が乏しい
医療福祉 人材・費用(各12件) 個人活動のため組織的バックアップがない

4.2 現場の声

ICTサポートセンターの声

【関心と意欲】

「eスポーツアクセシビリティにはとても興味がある。ただ、これまで全くやった事がないため何が必要なのか、どうすればできるのか、基本的なことが分からない状況」

【連携への期待】

「障害者のIT機器支援とeスポーツ支援は非常に親和性が高いと感じている。どこまでを業務としてサポートすべきかは分かりませんが、何かしら協力できることは、お手伝いさせていただければ」

【体制面の課題】

「限られた者が支援相談に対応しているが後継者がいない。その者が何らかの都合で就労継続できなくなった時には、ICTサポートセンターの継続ができなくなる」

eスポーツ団体の声

【活動継続への課題】

「費用がないかほとんどない場合がほとんどで、こちらの稼働が取れないことが多い」

「介護・福祉の依頼は、どうしても予算がなく、ほとんど利益がでない」

【連携体制への期待】

「専門知識がない状態で障害系に手を出すのは慎重にならざるを得ない。イベント事業費等の報酬がきっちりと出されるような座組があり、機材の研修および貸出も実施されるという座組であれば、専門知識を有する人材も一緒に真剣に取り組んでもらえると想定しております」

医療・福祉関連職の声

【制度面への期待】

「施設内でeスポーツを集団実施する際には、原則として毎回メーカーの許諾が求められる。許諾申請の流れをスキップできるような認定ライセンス制度などがあれば、もっと障害のある方が気軽に集団でeスポーツを楽しめる」

「本当にやってみたいのは『みんなと同じタイトル』であるため、ここの課題クリアは大きなカギを握ると思う」

【情報・サポートへの期待】

「視線入力導入の難易度が高い。導入までのフローチャートや導入後のサポートなどあれば助かる」

補足:厚生労働省「障害者ICTサポート総合推進事業 運営の手引き」(令和6年度版)では、「ICTがもたらす可能性」の例として「就労、eスポーツ等の社会参加・自己実現」が明記されている。eスポーツ支援は事業の範囲内と解釈でき、現場の課題は「制度的制約」ではなく、体制・ノウハウ・機材といった実務面にあると考えられる。

4.3 業務としての位置づけ

eスポーツ支援を「業務として位置づけているか」を確認した結果、セクター間で大きな差が見られた。

属性 はい 判断が難しい いいえ
ICTサポートセンター 2件(8.3%) 9件(37.5%) 13件(54.2%)
eスポーツ団体 9件(64.3%) 3件(21.4%) 2件(14.3%)
医療・福祉関連職 10件(52.6%) 7件(36.8%) 2件(10.5%)

今後の可能性

ICTサポートセンターでは「業務ではない」または「判断が難しい」という回答が多いが、これは現時点での体制や経験を踏まえた慎重な判断と考えられる。前述の通り、厚生労働省の手引きではeスポーツ支援は業務範囲内とされており、制度的な障壁はない。

重要なのは、ICTサポートセンターが高度な知識や機材を完備した「eスポーツの専門家」になる必要はないということである。地域のeスポーツ団体や医療・福祉関連職と連携し、相談者を適切な資源につなぐ「ハブ機能」を果たすことが現実的かつ有効なアプローチであると考えられる。

第5章 地域資源マップ

5.1 地域ブロック別の分布

情報公開に同意した団体を地域ブロック別に整理した。公開可能な団体は30団体であった。

北海道 4団体 1 1 2 東北 4団体 3 1 関東 7団体 2 5 中部 5団体 2 2 1 関西 5団体 1 1 3 中国 2団体 1 1 四国 1団体 1 九州 沖縄 2団体 1 1 凡 例 ICTサポートセンター eスポーツ団体 医療・福祉関連職等 図:地域ブロック別 公開団体数(全30団体)

※回答のあった57団体のうち、公開に同意した30団体の分布を示す

公開団体の内訳

地域ICTeスポーツ医療福祉
北海道1124
東北0314
関東0257
中部2215
関西1135
中国1102
四国1001
九州・沖縄1102
合計7111230

5.2 公開団体一覧

以下は、情報公開に同意いただいた団体の一覧である。連絡先の公開についても同意を得た団体のみメールアドレスを掲載している。

北海道ブロック(4団体)

団体名所在地種別対応連絡先
NPO法人札幌チャレンジド北海道札幌市ICTR1
一般社団法人道南eスポーツ協会北海道函館市eスポーツR1
一般社団法人ユニバーサルeスポーツネットワーク北海道札幌市医療福祉R4[email protected]
特定非営利活動法人iCareほっかいどう北海道札幌市医療福祉R2[email protected]

東北ブロック(4団体)

団体名所在地種別対応連絡先
岩手eスポーツ協会岩手県盛岡市eスポーツR3[email protected]
山形県eスポーツ連合山形県酒田市eスポーツR2[email protected]
秋田県eスポーツ連合秋田県秋田市eスポーツR1[email protected]
eSocial Cue株式会社秋田県秋田市医療福祉R4[email protected]

関東ブロック(7団体)

団体名所在地種別対応連絡先
東京都eスポーツ連合東京都渋谷区eスポーツR2[email protected]
一般社団法人相模原eスポーツ協会神奈川県相模原市eスポーツR4[email protected]
NPO法人ICT救助隊東京都品川区医療福祉R1[email protected]
群馬県立二葉高等特別支援学校群馬県高崎市医療福祉R1
株式会社メイクウィル東京都葛飾区医療福祉R1
任意団体 EYE・ON千葉県御宿町医療福祉R2[email protected]
社会福祉法人武蔵野会 小平福祉園東京都小平市医療福祉R2

中部ブロック(5団体)

団体名所在地種別対応連絡先
岐阜県身体障害者福祉協会 福祉メディアステーション岐阜県大垣市ICTR1
なごや福祉用具プラザ愛知県名古屋市ICTR3[email protected]
一般社団法人福井県eスポーツ連合福井県福井市eスポーツR2[email protected]
一般社団法人静岡県eスポーツ連合静岡県静岡市eスポーツR3
豊橋ケーブルネットワーク株式会社愛知県豊橋市医療福祉R2[email protected]

関西ブロック(5団体)

団体名所在地種別対応連絡先
NPO法人滋賀県社会就労事業振興センター滋賀県草津市ICTR4
一般社団法人大阪府eスポーツ連合大阪府池田市eスポーツR4[email protected]
特定非営利活動法人パラスポーツサポーター大阪府医療福祉R3
BLACKPINGUUu大阪府枚方市医療福祉R2[email protected]
株式会社テクリオ大阪府大阪市医療福祉R4[email protected]

中国ブロック(2団体)

団体名所在地種別対応連絡先
山口県障害者社会参加推進センター山口県山口市ICTR2[email protected]
一般社団法人やまぐちeスポーツ協会山口県山口市eスポーツR2090-9463-1544

四国ブロック(1団体)

団体名所在地種別対応連絡先
愛媛県障がい者ICTサポートセンター愛媛県松山市ICTR3[email protected]

九州・沖縄ブロック(2団体)

団体名所在地種別対応連絡先
福岡点字図書館福岡県春日市ICTR1[email protected]
一般社団法人長崎県eスポーツ連合長崎県時津町eスポーツR2[email protected]

第6章 連携モデルの提案

6.1 各セクターの強みと課題

調査結果から、各セクターは単独では課題を解決しきれない状況が明らかになった。

各セクターの強みと課題

セクター強み課題
ICTサポートセンター 公的機関としての信頼性、相談窓口機能 ノウハウ・機材・人材の不足
eスポーツ団体 実践経験、機材、イベント運営力 資金、専門知識(医療・福祉)
医療・福祉関連職 専門知識、個別対応力 組織的バックアップ、機材

6.2 地域連携トライアングルモデル

3者の強みを組み合わせた相互補完システムを提案する。

地域連携トライアングルモデル

  1. 【相談・調整】ICTサポートセンター(ゲートウェイ)
    公的機関としての信頼性を活かし、最初の相談窓口となる。自前で機材を持てなくても、地域の「eスポーツ団体」や「専門職」を紹介するリファー(つなぎ)機能を強化する。
  2. 【体験・運営】eスポーツ団体(エンジン)
    実際の体験会やイベント運営、機器の貸出を行う実働部隊。不安要素である「安全管理」について、医療・福祉関連職のアドバイスを仰ぐ体制を作る。
  3. 【安全・適合】医療・福祉関連職(アンカー)
    個別の身体状況に合わせたコントローラー適合や、医学的リスク管理を監修する。ICTセンターやeスポーツ団体からの要請に応じ、スポットで専門知識を提供する。

例えば、ICTサポートセンターが相談窓口として機能し、具体的な体験・イベントはeスポーツ団体が担い、個別の身体状況に応じた調整は医療・福祉関連職が支援する、といった役割分担が考えられる。

今回作成した地域資源マップは、こうした連携の第一歩として、各地域でどのような資源があるかを可視化したものである。

第7章 当事者アクセシビリティの現状

前章までの分析で、全国に57件の地域資源が存在することを確認した。本章では、これらの資源が当事者にとってどの程度アクセスしやすい状態にあるかを整理する。

7.1 アクセス可能な資源の実態

「連絡先公開」かつ「体験以上の支援可能(R2以上)」という2つの条件を満たす資源を集計した。

属性 アクセス可能 全資源数 アクセス可能率
ICTサポートセンター 3件 24件 12.5%
eスポーツ団体 8件 14件 57.1%
医療・福祉関連職 7件 19件 36.8%
合計 18件 57件 31.6%

現時点で当事者がアクセスしやすい資源は18件(31.6%)である。今回の調査により、これらの資源が初めて可視化されたことは大きな成果といえる。

7.2 都道府県別のアクセス可能性

当事者がアクセス可能な資源が存在する都道府県は、47都道府県中13都道府県である。

区分 詳細
アクセス可能な資源がある 13都道府県
北海道、岩手県、秋田県、山形県、千葉県、東京都、神奈川県、福井県、愛知県、大阪府、山口県、愛媛県、長崎県
今後の展開が期待される地域 34都道府県
青森県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、新潟県、富山県、石川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、三重県、滋賀県、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、徳島県、香川県、高知県、福岡県、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

今回の調査で見えてきたこと

今回の調査は、地域のゲームアクセシビリティ資源を初めて体系的に把握する試みであった。その結果:

本調査で作成した地域資源マップは、この分野における最初の一歩である。今後、各地域での取り組みが進むことで、より多くの当事者が支援につながることが期待される。

第8章 まとめと提言

本調査により、地域におけるゲームアクセシビリティ支援の現状が初めて体系的に把握された。

本調査は、地域における障害者eスポーツ支援の実態を把握することを目的として、アンケート調査を中心に実施したものである。一方で、本調査は回答者の自己申告に基づくものであり、実際の支援能力や対応内容をすべて網羅的に評価するものではない。また、eスポーツ支援者セミナーの開催地域や調査対象の特性により、地域分布や回答内容に一定の偏りが含まれる可能性がある。

しかしながら、こうした制約を踏まえても、本調査は、地域における障害者eスポーツ支援の全体像と構造的課題を初めて横断的に整理した点に意義があると考えられる。

調査結果の要点

  1. 全国57団体からの回答を得た(ICT 24件、eスポーツ 14件、医療福祉 19件)
  2. 30団体が情報公開に同意し、地域資源マップとして可視化できた
  3. 各セクターがそれぞれの強みを持っていることが確認された
  4. 3者の連携により相互補完できる可能性が示された

今後に向けて

本調査で作成した地域資源マップは、障害のある方やその支援者が地域の相談先を探す際の参考となることを期待している。また、各地域での連携促進のきっかけとなれば幸いである。

今後は、セミナー未開催地域への展開や、公開に同意いただいた団体間のネットワーク構築などを通じて、支援資源の拡充を図っていくことが望まれる。

提言

提言1:「つなぐ」仕組みの整備

ICTサポートセンターの職員が地域の「eスポーツ団体」や「医療・福祉関連職」の所在を参照できる仕組みが不可欠である。今回作成した地域資源マップの有効活用及び今後のアップデートが望まれる。

提言2:資金支援と業務委託の推進

最も活動実績のあるeスポーツ団体が資金面での課題を抱えている現状がある。アクセシビリティ機器の購入助成や、公的事業(ICTセンター等)が主催するイベントの運営をeスポーツ団体に業務委託するなど、公的資金が民間の実働部隊に循環する仕組みを作ることで、持続可能な支援体制が構築できると考えられる。

提言3:権利関係の整理

福祉施設等での利用におけるゲームソフトの許諾手続きの簡素化が、さらなる活用に向けた検討事項として挙げられた。メーカーにおける福祉利用におけるガイドライン策定や包括的許諾の枠組み作り検討に向けた後押しが期待される。

本報告書の活用について

掲載された団体情報は、各団体の同意に基づいて公開している。連絡先が掲載されている団体への問い合わせは、各団体の業務状況に配慮いただきますようお願いしたい。

情報の更新・訂正については、一般社団法人 日本eスポーツ協会までご連絡ください。